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2011年9月11日 (日曜日)

ケータイのゲームはカジノ+ファストフードのビジネス

[CEDEC 2011]稼げるゲームはこう作れ。グリーが明かす「セールスランキングNo.1プロダクトの作り方」

この記事はすばらしい。ふつうゲームの記事は絵がどうだとかという表面をなでた話しかでない。これはゲームを科学的に分析している。近いものにハリウッドの映画制作がある。

アメリカは何でも分析してそれを仕込んでくるので、たとえばハリウッド映画は平均的に質が安定している作品が多い。それはハリウッドメソッド(脚本の書き方)というような基本形式があるから。ただ逆に脚本が直線すぎてゆがみがないので落ちが読めてしまう欠点もある。

グリーでは「GREE Analytics」というデータマイニングツールを用いて,プレイヤーの利用状況を徹底的に調査し,反応や動向を数値化しているという。そして,11:00にイベントをスタートし,その1時間後にどんな反応があったかをチェック。反応が想定と異なっていた場合は即座に修正をかける……というようなことを行うそうだ。

お客の反応を見て商売のやり方を変えるのはよくあることだが、データを多く集めて大規模にやるのはラスベガスのカジノがやっている。苦痛(がんばり)と快感(報酬)をコントロールして「楽しんでもらう」ということを裏方がデータ解析して実現する。職人の感ではなく、大量の個人の行動を統計処理をコンピューターが行う。半導体の値段が安くなったので可能になった。以前は人の経験に頼るしかなかった。

ゲームデザインや施策などを「仲間と集めるモデル」「Raidモデル」といったようにモデル化し,フレームワークとして蓄積している。前述したデータマイ ニングにより,それぞれのフレームワークが収益や集客など,どの分野に効果を発揮するかも把握されているため,新たな施策を行う際は,蓄積されたフレーム ワークを目的に合わせて組み合わせるそうだ。

ゲームをいくつかの要素に分け、それぞれを個別に最適化したモデルをつくる。ゲームは無数にあるが中身は一緒ということがある。ジャンルに分けられるのが何よりの証拠。

ゲームをデザインする段階では,1サイクルの中で達成感を演出することを重要視し,短・中・長期のゲームサイクルそれぞれにゴールを用意。さらに,ゴールが遠い場合は細かくマイルストーンを作っていくという。

報酬を最後ではなく小さいステップごとに与える。これは勉強法でも役に立つ。完全に心理学の領域だ。継続するための方法は細かなステップと途中の報酬が大切。スキナーの実験通りの展開になる。

ソーシャルデザインは,「運営からのお知らせよりも,友達からの呼び込みのほうが効果は高い」(岸田氏)という経験則から,プレイヤー間のコミュニケー ションを促進するため,「モンプラ」に「友達の牧場へ遊びに行く」という要素を導入。遊びに行くことで「なつき」というパラメーターが増えるというメリッ トを用意しただけでなく,履歴を残すことで効果もアップする。

友達という人間関係を利用する。これはドラクエのすれ違い通信でも見られた。

収益化モデルの構築には,失敗に意味があることをきちんと演出することが重要であり,有料アイテムは見た目に効果が分からないとダメだという。「細かなゲームバランスよりも,課金機会の演出,効果の演出のほうが大事」と岸田氏は指摘する。
 「釣りスタ」では魚を釣り損ねた際に,どんな魚を逃したかを表示し,どうすればいいのかという提案が出る。そのうえでアイテムを購入すると魚が釣れるという劇的な変化を,演出するわけだ。

ゲームか?と聞かれればゲームを利用したビジネスである。AKB48のCD売りと同じ。AKBは音楽(だけ)を売っているのではない。この線上の話として見るのが一番近い。ファストフードを食事と考えてはいけないように。

ケータイユーザーという最も大きなプラットフォームでできることは、ファストフードのハンバーグを出すことしかない。あれを美味しいという舌の腐った人はいない。そこにゲームユーザーが気がついて欲しい。

GREEが大人気でゲーム業界が大ピンチ!? 2chでGREEスレが話題に

このまとめブログをみると、みなさんゲームではないという同じ結論になっている。コミュニケーションツールとして使っている。しかし重課金者とそれに群がる女子の構図はすばらしい。上手いことを考えついたと思う。非出会い系の理由がわかった。

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自己顕示欲を刺激するのがこのゲームのやり方だそうです。顕示欲とは見せびらかしのことです。

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